やっと、というか急に涼しくなりましたね。油断して薄着で寝てたらお腹冷やして、朝から腹痛でした。
コロナが思った以上に長引いて、今年のお盆も帰省は諦めました。気持ちのアップダウンはあまりない方だと思うんですが、こんだけ長引くとちょっと憂鬱になったり落ち込んできたりするので、お買い物をして気を紛らわしてます。
といっても、物欲が希薄なお買い物ビギナーなので何を買っていいかわからず、慣れないことをしてこういうバグったことをするのです。
駅ビルとかに入ってる「太子堂」というお菓子屋さんがあって、そこの豆餅というおかきが子供の頃から大好きで、ジョイナスの店舗で見つけるとたくさん買い込んで食べてます。ずっと太子堂のオリジナル商品だとばかり思ってたんですが、先日ふと裏面を見たら「製造者 岩塚製菓」と書いてるではありませんか。なら、いつ入荷するかわからない太子堂で買うより、直で買っちゃえばいいじゃない。ということで、ネット検索して見つけて5000円以上で送料無料という文言にのせられて他の商品も色々買っちゃってこのざまです。下のヨーグルッペとスコールも同じような経緯でこうなりました。
太子堂で売ってるものより、だいぶ小さめでしたが、味は一緒なので満足です。このおかき、本当においしいんですよ。適度にしょっぱめ、外はカリカリ中はふんわり。
「ふんわり名人」が出始めたころ、ふんわり名人を何のリアクションもせずボリボリ食べてた構成作家さんに「これを食べて何も感じないならお前は作家失格だ!」とぶちぎれた、地雷がどこにあるかわからない爆笑問題・田中のエピソードは、カーボーイリスナーにはお馴染みですが、この豆餅を食べ慣れた身からすれば、ふんわり名人にそれほどの感動は無かったです。むしろ味が複雑なのと、ネチャッとした後味がいやでした。田中も豆餅を食べてみればいいのに。
今年の初めころから始めた自炊は奇跡的にまだ続いてます。ちゃんと3食作ってますよ。こういうの慣れですね。
先日、豚肉をお酒とジンギスカンのタレで漬けて焼いたらおいしいんじゃないかと思ってなんとなくやってみたら、思いのほか安っぽいおいしさがありました。安っぽいものなりのおいしさってありますよね。粉ソースで作ったボソボソの焼きそばとか、ハンバーグの横についてるケチャップ味のコシのないスパゲッティとか大好きです。高校の学食で食べた、揚げたての冷凍コロッケを乗せたドロドロの給食カレーの味は今でも忘れられません。そういう、「安っぽい方がおいしい」ものってあると思うんですよ。B級グルメなんてだいたいそんな感じだと思うんですけど、みんななんか普通に一般的な、わかりやすいおいしさを求めちゃってる感じがします。
以前、組合の近くに個人でやってるハンバーガー屋が出来たんで、経営員一同でお昼を食べに行きました。僕は普通のオーソドックスなやつを注文したところ、「お肉本来の味を楽しんでいただきたい」みたいな理由で塩胡椒のみで味付けしたハンバーガーが出てきました。
「なるほど。それはそれとしてケチャップをください。」
と言える性格ではないので、「おいしい良いお肉なんだったら、ミンチにしないでそのまま焼いて出してくれればいいのに」と思いながら、味の薄いハンバーガーを黙って食べました。ちなみに、一緒に行った人が頼んだテリヤキバーガーは、テリヤキソースにタルタルソースがたっぷりのってました。お肉本来の味とは?
ハンバーガーなんてそもそもがB級なんだから、B級なりのおいしさを追求すればいいのに、なんでA級(?)の価値観や尺度に合わせるのかね。昭和生まれのおじさんらしく野球に例えますけど、イースタンリーグのMVPじゃなくて、「野球狂の詩」の東京メッツみたいな方を目指してよって思っちゃいます。わからない人は置いていきます。
まあ商売なんで、B級だろうがA級だろうが、素材の良さとかわかりやすいおいしさを求め、アピールするのは至極当然なんですが。
そういえば、ゆるキャラもなんか近いものを感じます。
みうらじゅんが提唱したゆるキャラの概念は正確には知りませんが、「いやげもの」とか「カスハガ」とかから察するに、役場のおじさんが仕事としてイヤイヤ作らされたやる気のないイナタイキャラクターのどうしようもなさを、苦笑と憐憫と愛情の入り混じった複雑な感情で愛でるものだったんじゃないでしょうか。
ゆるキャラグランプリに出てくる、わかりやすくかわいいキャラとか、ユニークなキャラも別にいいんですけど、全部一緒くたに「ゆるキャラ」になってしまったので、もともと住んでた、あのどうしようもないあいつらの住処が無くなってしまった感が否めません。結局は、ゆるキャラもB級グルメも、一般的な一つの尺度にからめとられてしまうのね。
いろいろ書きましたが、要は「多様性なんて嘘じゃね?」って話です。